抗年記

何も考えないで年を重ねるのは厭だなー、と

ずる休みしたい時、する時

ずる休みには解放感と罪悪感を同時に感じます。

高校の時は自転車で20分ほどかけて通学していたので、雨の日なんかはずるしたかった。親と同居していたのでなかなかずる休みはできませんでした。いまでもたまに、雨の朝、母親の車で送ってもらうべくいろいろ画策している夢を見ます。絶対に乗せてもらえないんですが。

社会人になってからのほうがずる休みは多い。社会人生活の方が学生生活より長くなったからそれも当然かもしれません。朝、布団の中で休む決意をするときと、髪も整え、化粧もばっちりしてあとは靴履いて出るだけ、のタイミングでどろ~んと気分が落ちる時もあります。大抵は、大事な会議や提出物がないときにこれをやる。

人と会う約束もずるで反故にしたことがあります。

私には「仲良くしておいたほうが良い」親戚がいて、時々ご機嫌伺に遊びに行く。そして行くたびに嫌な思いをして帰宅するのです。行けばご飯を食べさせてもらえるし、たまには手土産を持たせてくれるので、つきあって損はないはずですが、会うとストレスがどっとたまる。そんな付き合いってありませんか?

年末年始に遊びにおいでと言われていたので、「行きます。事前に連絡するね」と言ってありました。日が近づくにつれて、どんどん厭~な気分になってきて、さっき「インフルエンザにかかったから」と嘘をついて約束をキャンセルしました。これもずる休みでしょう。

インフルエンザは嘘です。喉が痛くて咳がでるので軽く風邪はひいていると思いますが、インフルエンザでは決してない。嘘をついたことについては、少し罪悪感があります。でもほんの少しだけ。気の乗らない約束に拘束されないことの方が私には大事。

ご飯は自分で作れるし、欲しいものは自分で買える。自立しているんですから、いつバスにひかれて死ぬかわからない人生、なるべくストレスは避けて過ごしたい。年末年始は好きなようにします。

ボストン・リーガル

アマゾン・プライムに加入したので、元を取ろうという貧乏根性から、プライムビデオを観ています。観放題なのは、プライム・ビデオにリストアップされているタイトルのみですが、これが定期的にアップデート(つまり、新しいタイトルが追加され、一定期間を過ぎると削除されるタイトルもある)されるので、結構アンテナに引っかかるものがあるのです。

この間観たパーソンオブインタレストは本当によく出来たドラマでした。夢中になりました。アメリカやイギリスのドラマを観ると、比較して日本のドラマは本当にお粗末だと感じます。(でも日本のTV番組制作について別の機会にコメントします)

ボストン・リーガルは題名は聞いたことがあったけれど観たことがない番組でした。デビッド・E・ケリーの作品でジェイムズ・スペイダー主演ですから面白いに決まっているのに、なぜか観たことがなかった。

ケリーはもともと弁護士出身のライター・プロデューサーで、LAロー、ピケットフェンセズ、アリーマクビール、ザ・プラクティスなどの、弁護士もののドラマで有名です。医療もののシカゴホープも彼の作品。

アメリカのショウビジネス、特に、映画やTV番組はハリウッドが作っています。インディペンダント系は別ですが。そしてハリウッドはリベラルつまり左寄りというのが大方の認識です。

ボストン・リーガルを観ていて、ほんと、左だわ、と思いました。2人のメイン・キャラクターのうちジェイムズ・スペイダーは民主党(左)、ウイリアム・シャトナーは共和党(右)なのですが、この二人は政治的には両極端に位置するのに、男同士の強くて深い友情で繋がっています。後者は道化の役で、彼の極端な保守主義銃火器への嗜好などがジョークのネタとなっている。

実際のUSでの放映は2005年の秋から2008年の12月までということは、ジョージWブッシュ政権2期目のさなかに始まり、オバマが次期大統領になることが決まった時点で終了しました。ドラマの会話の中に、当時進行中の大統領選についてのコメントが端々に組み込まれ、オバマが選出された後のエピソードでは、いかにそのことがリベラル派にとって誇らしいことだったかがわかるセリフもありました。今観ても、あの時の自分が感じた高揚感を思い出します。

また、法廷ドラマですから、いろいろなイシューを扱うのですが、移民、人種差別、妊娠中絶、安楽死、ホモセクシュアリティなどの民共両党の論点を観ていると、8年前も今も区別がつかないほど同じことを言っている。

オバマ政権でなんとか少し前進したことが、バカトラ政権が8年前、というか100年前に戻してしまうのかと考えると、脱力感で立ち止まってしまいます。

ボストン・リーガルエミー賞をいくつも獲得したものの、視聴率的にはヒットとはいえず、低視聴率のため最後はキャンセルになりました。キャンセルを決めたネットワークに対する痛烈な皮肉もドラマ中のセリフにちりばめられていて、楽屋落ちのようなジョークも多いのですが、見ごたえのあるドラマでした。シャトナーのコミカル演技も実にチャーミングでした。

「ハッピーホリデイズ!」

そこそこ、シーズンにふさわしい話題をひとつ。

日本や、アジアの他の国では、この時期「メリークリスマス!」という掛け声がよく聞かれます。日本人のキリスト教徒の人口は、Wikipedia によれば、260万人ほど、全人口の2%くらいだそうです。でも、ほとんどの人が特に気分を害することなく「メリークリスマス!」って言いますよね。これが、アメリカに行くと、あちらはDiversity (多様性)を尊重するというのが建前の国ですから、キリスト教以外の人たちに気を遣って “Happy Holidays!” というのが politically correct (政治的に正しい)とされます。だから、11月末の感謝祭を過ぎたあたりから、人が別れる際の挨拶は、“ Happy Holidays!”が大勢を占めます。日本でも近年クリスマスカードを送る人も増えてきたようですが、「メリークリスマス & ハッピーニューイヤー!」と書いてありますね、だいたい。これもアメリカでは “Season’s Greetings”  季節のご挨拶、といった無難な表現が多いです。

めんどくさいな、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、多人種、多文化で生きていくには、周りの人の気持ちを考慮する必要があり、Happy Holidays や Season’s Greetings はそういった配慮の結果だということです。(大勢を占める、というのは言いすぎかもしれません。東海岸や、西海岸の大都市ではそうですが、中西部、南西部の田舎では違うかな、とも)

ところが!来年から米大統領に就任するトランプが、またバカなことを言っているのです。「これからはメリークリスマスと言うぞ!」

トランプの人となり、言動、経歴、大統領としていかに不適格か、については、私は言いたいことが山ほどあり、今回の記事では敢えて控えますが、この「これからはメリークリスマス」という発言の裏にあるアメリカ社会の白人至上主義 “White Supremacist’ との関連について少し語ります。

この言葉ひとつとっても、語ることは多すぎてその一部しかカバーできませんが。

White Supremacist は、もう少し穏やかめの表現では White Nationalist と言われます。Alt-Right とも呼ばれます。Nationalist は国粋主義、Alt-Right のAltはAlternative の略で「別のとって替わるもの」そして Rightは右翼、つまりAlt-Right は「これまでとちょっと違う右翼」といった意味でしょう。でも結局はどちらも White Supremacistなのです。

トランプは移民の国外追放、受け入れ拒否、また、イスラム教徒は全てテロリストといった過激な訴えで、それを支持する白人層の票を得て大統領に選出されました。とはいっても、得票数ではヒラリーに惨敗したんですけどね。それも話すと長くなるのでさておき、「これからはメリークリスマスと言うぞ」というのは、キリスト教徒以外(つまり移民とその子孫)に配慮するつもりは一切ないぞ、という宣言なのです。もちろん、黒人を含めた有色人種にもキリスト教徒は多くいます。でも多くのアフリカ系アメリカ人はこの時期、クワンザを祝います。ユダヤ系の人々はハヌカを祝います。でも、見た目だけではどの人がどの宗教を信じているかわからないから、”Happy Holidays” がもっとも波風たてない挨拶なのです。もちろん、キリスト教徒だというのが明らかな相手の場合は「メリークリスマス!」と言って全く問題ありません。

ヒラリーを応援した民主党の人たちは、あまりこだわりはなく、どっちでもいい、と挨拶の言葉にあまり重きを置いていないという統計があるようです。要は気持ちの問題ですものね。逆にトランプ支持者は’Happy Holidays!”にムッとくるらしい。彼らの狭量さをよくあらわす例です。

私は明日から仕事を休みます。メールの自動返信には当然 “Happy Holidays!” と入れました。(すみません、外資系に勤めております)それを見てカチンとくる人がいたとすれば少し溜飲が下がる思いです。

 

ダイアリーからブログに変えてみました

ちょっとよくわからない感じ。

はてなダイアリーはてなブログはどう違うのでしょう?

学生の頃は文章を書くのが好きだったけれど、今は仕事のメール以外はほとんど機会がありません、というか機会を作らない。

ダイアリーでは、内向きというか、自分のためだけに書き留めておくような記事が多かった、といってもそもそもの本数が少ないですが、とにかく一人でひっそりが好きなので、そんな記事ばかりでしたが、これからは外向きに少し変わりたい、そんな気がしてこちらに移ってみました。

さて、どうなることやら。。。